コラム:文庫の窓から

板野郡文化財保護審議会研修が三木文庫で開かれる

2013年4月23日

 3月1日(土)午後、板野郡文化財保護審議会の研修会が三木文庫一階展示室で開催されました。

 郷土史研究者として有名な三好昭一郎先生が板野郡保護審議会連絡協議会の会長です。三好先生の挨拶に続いて、私が「三木文庫の創立と徳島県立図書館」と題して話をしました。と言っても、三木文庫の創立と県立図書館は直接的な接点はありません。ただ、三木文庫が創立された昭和29年ごろ、県内の文化施設は県立図書館だけでした。

 県立図書館は昭和25年から、関係者に呼びかけて郷土社会の調査研究を始めます。また郷土史家の協力を得て、古記録・古文書の所在調査を行います。こうした一連の動きが、やがて阿波学会の設立や県史編纂事業へと発展していきます。その意味では、県立図書館も間接的に三木文庫に関わっています。

 一方、この文庫を創設された十三世三木與吉郎氏、史料整理に従事した後藤捷一氏、政財界の重鎮で民俗学者であった渋沢敬三氏、この三人の繋がりが三木文庫の創立に極めて大きな役割を果たしたのではないか、という趣旨の話をしました。

(学芸員:新孝一)

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